固定資産購入時の減価償却費の仕組みを解説|column|株式会社torio real estate(トリオリアルエステート)
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コラム

Column

固定資産購入時の減価償却費の仕組みを解説

戸建てや分譲マンションなど、固定資産を購入したときに関わってくるのが、減価償却という仕組みです。減価償却をすることで、固定資産の購入価格を分割で経費計上できます。 毎年の所得税・法人税の支払いに影響するため、減価償却の仕組みを理解しておきましょう。 本記事では、減価償却の考え方や減価償却費の計算方法をわかりやすく解説いたします。

減価償却とは固定資産を少しずつ経費計上する仕組み

減価償却とは、固定資産を取得したとき、1度に経費計上するのではなく、毎年少しずつ計上する仕組みのことです。 減価償却した経費(勘定科目)のことを「減価償却費」といいます。 減価償却という考え方が成り立つのは、固定資産はもともと長期の使用が想定されるからです。固定資産のなかには経年劣化により、年月とともに価値が減少するものもあります。固定資産の取得価額を1度に経費計上するより、何年かに分けて経費計上するほうが、企業の実態に即しています。 経年劣化が想定される場合、形のある有形固定資産だけでなく、形のない無形固定資産も減価償却できます。 その固定資産が、どれだけ利用に耐えるかを表す指標を「法定耐用年数」といいます。一般的に、固定資産の構造が頑丈で長持ちするほど耐用年数は伸びます。 たとえば、木造の物件の法定耐用年数は22年ですが、より構造が堅固なRC造(鉄筋コンクリート造)の建物は2倍以上の47年です。[注1] 固定資産の耐用年数の長さは、減価償却費の計算にも影響します。 [注1] 国税庁:減価償却資産の償却率表[pdf]

減価償却できる有形固定資産・無形固定資産の一覧

すべての固定資産が、減価償却できるわけではありません。 土地は経年劣化を起こさないため、減価償却の対象ではありません。また、稼働していない機械など、使用の実態がない固定資産も減価償却できません。 減価償却できる固定資産の対象は、次のとおりです。
有形固定資産 建物 構築物、電子機器、車両など
無形固定資産 特許権、ソフトウェアなど
取得価格の大きな分譲マンション、戸建ての一軒家なども減価償却資産です。どのように減価償却を行うかが、会計処理にも関わってきます。

減価償却の会計処理の際の2つのルール

減価償却の会計処理を行う際、「直接法」と「間接法」の2つのルールがあります。

1. 直接法

直接法で帳簿を作成する場合は、固定資産の取得価格から減価償却費をそのまま差し引きします。そのため、まだ減価償却していない「未償却残高」が帳簿からひと目でわかります。

2. 間接法

間接法は固定資産の取得価格と、これまで減価償却を行った合計金額の「減価償却累計額」の2点を帳簿に記載します。つまり、未償却残高をまだ計算しておらず、知りたい場合は帳簿を見ながら計算しなければなりません。 その代わり、直接法ではわからない固定資産の取得価格を帳簿から確認できるというメリットがあります。

減価償却額を計算する2つの方法

減価償却費を計算する方法は「定額法」「定率法」の2つです。 計算するうえで、国が定める固定資産の法定耐用年数が重要になってきます。

1. 定額法:固定資産の取得価格÷法定耐用年数

定額法とは、固定資産の取得価格を単純に法定耐用年数で割る計算方法です。 耐用年数が10年の固定資産を100万円で購入した場合は100万円÷10年=10万円となり10万円を10年間毎年償却していきます。 ただし、減価償却が完了した資産とそうでない資産を区別するため、有形固定資産は「備忘価額」として1円を残すのが通例です。そのため、10年目の償却額は9万9,999円になります。

2. 定率法:法定耐用年数に基づく「償却率」で計算する

定率法は定額法と違い、少し計算が複雑です。 定率法を採用する場合、法定耐用年数に基づく償却率を計算に使います。 たとえば、先ほどと同様の例の場合、固定資産の償却率は0.2%です。 1年目は100万円×0.2%=20万円が償却費です。2年目以降は、100万円から前年度までの減価償却累計額を差し引き、償却費を計算します。 定率法の計算では「償却保証額」に注意が必要です。毎年の償却費が償却保証額を下回ると、以後は償却保証額を計上します。 上記の例の場合、償却保証率は0.06552%で、最低金額は6万5,520円です。7年目には(100万円-前年度までの償却額)×0.2%=5万2,429円となり、最低金額を下回るため、償却保証額の6万5,520円を計上します。[注2] [注2] 国税庁:No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)

不動産の売却時は減価償却費の計算に注意

土地を除く不動産の売却時は減価償却費の計算で注意が必要です。 不動産売却で譲渡所得を得た場合、所得税の支払います。その場合の計算式は「譲渡所得=売却価格-(購入価格+譲渡費用)」です。 不動産を売却する場合、減価償却費を取得価格から差し引かなければなりません。すると、取得価格が減り、そのぶん譲渡所得の金額が増えるため、所得税の支払い額が増えるケースがあります。 なお、マイホームを売却した場合は、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特別制度が利用可能です。この場合、3,000万円を超える譲渡所得が発生しなければ問題ありません。

減価償却の仕組みと計算方法を理解しよう

減価償却の仕組みを理解すれば、毎年の確定申告の際に困りません。個人であれ法人であれ、減価償却費の金額が所得税・法人税の計算に関わってくるため、減価償却の計算方法を熟知しておく必要があります。 また、土地を除く不動産の売却時は、減価償却費の扱いに要注意です。減価償却費は建物の取得価格から差し引かれるため、場合によっては譲渡所得税が増える可能性があります。

こちらの記事の監修者

torio real estate店長 宿南 秀文

torio real estate店長 宿南 秀文

  • 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
  • torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。