マンション売却前にリノベーションすべき?3つの注意点や失敗事例を紹介|column|株式会社torio real estate(トリオリアルエステート)
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コラム

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マンション売却前にリノベーションすべき?3つの注意点や失敗事例を紹介

中古マンションをリノベーションすると資産価値が向上します。そのため、マンション売却前にリノベーションをして、売却価格を少しでも高くしようと考える人も少なくありません。しかし、不動産の資産価値を向上させる目的なら、部分的なリフォームでも十分なケースがあります。マンション売却の際は、リノベーション費用も含めたトータルコストを考えましょう。

 

本記事では、中古マンションをリノベーションするリスクや失敗事例を紹介します。

 

マンション売却前にリノベーションすべきか

東日本不動産流通機構(REINS)の統計をみると、築年数が経った築古物件を購入する人が増えていることが分かります。 例えば、2022年の首都圏の中古マンションの成約件数を築年数別にみると、築30年超物件の買い手の比率が増加しており、全体の3割以上を占めています。

また、築6~10年、築16~20年の物件の成約件数も増加している一方で、築5年以下の築浅物件の比率は減少しました。(※) しかし、中古マンションは築年数が経つにつれて資産価値が下落します。例えば、築5年以下の中古マンションの成約価格の平均は6,638万円ですが、築30年超物件の成約価格の平均は3分の1以下の2,193万円です。(※)そのため、中古マンションの売却に当たって、リノベーションを検討する人がいるかもしれません。 中古マンションをリノベーションすると、確かに資産価値は上昇します。しかし、中古マンション市場には、自分でリノベーションしたい買い手も多いことを知っておきましょう。売却前にリノベーションしたからといって、マンション売却に有利に働くとは限りません。また、次の項目で紹介するとおり、中古マンションのリノベーションにはリスクもあります。

※出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構.

「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2022年)」p1〜2,p5. http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202302.pdf, (入手日付 2023-06-07).

マンション売却前にリノベーションをする3つのリスク

マンション売却前にリノベーションをする3つのリスク

マンション売却前にリノベーションをするリスクは、大きく分けて3つあります。

● リノベーションの費用を回収できるとは限らない

● リノベーションの内容が買い手のニーズに合わない

● リノベーションをしても集客効果が上がるとは限らない

中古マンションをリノベーションしても、売却価格が上昇したり、集客効果が高まったりするとは限りません。リノベーションには多額の費用がかかります。リノベーションをする前に「リノベーションの費用を回収できそうか」「十分な集客効果が期待できそうか」を考えることが大切です。また、将来的なリセールを考慮し、買い手のニーズに合ったリノベーションを行いましょう。

リノベーションの費用を回収できるとは限らない

中古マンションのリノベーションには多額の費用が必要です。

しかし、中古マンションの売却価格に、リノベーション費用を全て上乗せできるわけではありません。 中古マンションの売却価格はマンションの立地や競合物件の状況にも影響を受けます。リノベーション費用を上乗せした価格で売却できればよいものの、場合によってはトータルコストで赤字になる恐れもあるのです。 マンション売却前にリノベーションをしても、費用を全て回収できない可能性があることを知っておきましょう。

リノベーションの内容が買い手のニーズに合わない

前述のとおり、中古マンションの買い手には、リノベーション向きの中古マンションを探す人が一定数います。そのため、買い手のニーズに合わないリノベーションをしてしまうと、逆に物件が売れにくくなる可能性があります。 リノベーション物件を相場よりも高く売るには、需要の高い間取りや住宅設備を取り入れたり、住宅性能を高めるのが大切です。また、奇抜な内装や特殊な間取りは目を引きますが、万人受けはせず、買い手によっては敬遠される可能性があります。リノベーションの際は、シンプルで清潔感のある内装や間取りにすることをおすすめします。

リノベーションをしても集客効果が上がるとは限らない

中古マンションをリノベーションすると、資産価値は高まりますが、集客効果が上がるとは限りません。その理由は3つあります。

● 築年数でマンションを探す人にとって、そもそも魅力にならない

● リノベーション価格が上乗せされて売出し価格が高くなり、予算オーバーしやすい

● 周辺地域に似たような競合物件が多く、競争優位性が低い

競合物件の状況によっては、部分的なリフォームだけで十分に集客効果を高められるケースもあります。例えば、水回りの設備の修繕や、古い住宅設備の交換などのリフォームを行うだけでも、内見時の印象をよくすることができます。中古マンションのリノベーションに踏み切る前に、同じ地域の物件の売出し価格や、競合物件の内装や間取り、広さなどの条件を確認しましょう。

売却前にリノベーションをして失敗した3つの事例

中古マンションのリノベーションには、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。例えば、以下の2つの事例は、いずれも売却前にリノベーションをして失敗してしまったケースです。

● 売却スピードは上がったが、リノベーション費用を回収できなかった

● リノベーション後、工事内容がマンションの管理規約に違反していることが判明した

売却前のリノベーションを検討しているときは、過去の失敗事例から教訓やノウハウを学ぶことが大切です。

売却スピードは上がったが、リノベーション費用を回収できなかった

リノベーションで多い失敗事例の一つが、中古マンションのリノベーションを行ったものの、工事費用を回収できず赤字になってしまうケースです。特に大規模なリノベーションを行う場合、売却価格も周辺物件の相場より高くなってしまい、かえって買い手がつかなくなるケースが少なくありません。リノベーション済みの物件はキレイなため、売却スピードは速くなる可能性があります。しかし、リノベーション費用を回収できるかどうかは未知数のため、見切り発車でリノベーションを行うのは避けましょう。

リノベーション後、工事内容がマンションの管理規約に違反していることが判明した

マンションリノベーションの意外な落とし穴が、マンションの管理規約です。マンションによっては、管理組合がリノベーションの範囲を制限したり、大規模な工事を禁止したりしている場合があります。リノベーション後、工事内容がマンションの管理規約に違反していることが分かり、管理組合とトラブルになるケースも少なくありません。マンションのリノベーションを行うときは、管理規約に目を通しましょう。

マンション売却前にリノベーションするリスクを知ろう

マンション売却前のリノベーションはメリットだけではありません。中古マンションをリノベーションしても、工事費用を全て売却価格に上乗せすることはできません。リノベーションをする前に費用対効果やトータルコストを考えましょう。また、最近はリノベーション向きの中古マンションを探す買い手も多いため、売却前のリノベーションが不利に働くケースもあります。不動産の資産価値を高めたい場合は、部分的なリフォームでも十分に目的を果たせます。マンションの立地や競合物件の状況も考慮しながら、リノベーションすべきかどうか具体的に判断するのが大切です。

こちらの記事の監修者

torio real estate店長 宿南 秀文

torio real estate店長

宿南 秀文

  • 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
  • torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。