相続した別荘を売却するには税金はいくらかかる?|column|株式会社torio real estate(トリオリアルエステート)
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コラム

Column

相続した別荘を売却するには税金はいくらかかる?

1980年代半ば~1990年代まで日本では別荘ブームが起こり、日本各地に別荘地が開発されました。

そのころ購入された別荘の始末に困っている人が増えています。

「管理費と固定資産税がかかる別荘など相続したくないので、売却先を探している」という方も珍しくありません。

しかし別荘を売却した場合は、税金がかかります。

どのような税金がいくらかかるか把握してから売買の相談をしないと、思わぬ損をすることもあるでしょう。

この記事では、相続した別荘を売却する際にかかる税金について詳しく解説します。

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まずは別荘とセカンドハウスの違いを押さえよう

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別荘というと居住している家以外に所有している家屋の総称、というイメージがあります。

しかし自宅以外の家が全て、別荘になるわけではありません。

別荘以外の別宅の代表的なものに、セカンドハウスがあります。まずは別荘とセカンドハウスの違いを確認しましょう。

別荘とは

別荘とは、日常では使用しない保養を目的にした住居です。例えば東京に住んでいる人が軽井沢など有名な別荘地に、夏の休暇を過ごすために家を買った場合などが当てはまります。

別荘を持っていなくても生活に支障はなく、1年のうちで使用するのは長くても1~2カ月といったところです。

つまり、別荘は贅沢品という位置づけです。なおリゾートマンションと呼ばれる、リゾート地に建つ集合住宅も別荘になります。

セカンドハウスとは

セカンドハウスとは、居住する自宅以外に購入した住宅です。別荘と違って生活に必要であるのが特徴です。

例えば単身赴任をしている家族が平日過ごす家や土地管理のために、毎週末過ごす家などがセカンドハウスに該当します。

また軽井沢などリゾート地にある家であっても「山林を所有していてその管理のために毎週末に泊まり込む」という場合はセカンドハウス扱いです。

セカンドハウスと別荘の違いは使用頻度です。1カ月に1日以上滞在していればセカンドハウス扱いになります。

注意:税制優遇の内容が異なる

セカンドハウスも別荘も所持していると、毎年固定資産税がかかります。セカンドハウスの場合、住宅用地の特例の対象になる可能性があり、以下のように減額されることもあるでしょう。

 

【固定資産税】

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)課税標準 × 1/6まで
  • 一般住宅用地(200㎡超の部分)課税標準 × 1/3まで

 

【都市計画税】

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)課税標準 × 1/3まで
  • 一般住宅用地(200㎡超の部分)課税標準 × 2/3まで

ただし固定資産税および都市計画税は市町村税で、市町村ごとに「住宅用地の特例」がどこまで適用されるかどうかは異なります。特例が受けられるかどうか知りたい場合は、セカンドハウスのある自治体に問い合わせてください。

一方で別荘は、このような軽減税率は一切ありません。

固定資産税は「課税標準 × 1.4%」、都市計画税は「課税標準 × 最高0.3%」がかかります。

別荘を相続すれば毎年固定資産税と都市計画税がかかるため、相続する場合はよく考えることが大切です。

別荘は税金「相続税」の課税対象

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別荘を相続する場合、相続税がかかります。

居住していた家の場合は、住宅の小規模宅地等の特例により相続税が減額されることもありますが、別荘にはそのような特例はないので注意してください。

相続税を算出するには、まず別荘の相続税評価額を調べます。

別荘を購入した金額で相続税を算出するわけではないため、気を付けることが大切です。

以下ではどうやって相続税評価額を調べるのか解説します。

別荘の相続税評価の流れとは

相続税評価額を計算するには、いくつか調べることがあります。ここでは相続税評価額を計算するのに、必要な項目を一つずつ解説していきます。

別荘地:地目を確認する

地目とは土地の用途です。宅地、山林、田畑など全部で23種類あります。

地目は土地の登記簿に記載されていますが、相続税評価額を計算する場合は相続時の地目を調べなければなりません。

現在の地目を調べるには、法務局のオンライン申請のご案内からチェックするのが便利です。

また固定資産税の納税通知書に同封されている、課税明細書や評価明細書にも地目が記されているので確認してみましょう。

※参考:法務局|オンライン申請のご案内

別荘地:土地の評価方法を確認する

土地の評価方法は、路線価方式と倍率方式の2つです。路線価とは道路に面した宅地の1㎡あたりの価額で、倍率方式は路線価がついていない土地の評価額を算出する際に使用します。路線価は国税庁のホームページに掲載されている、路線図から誰でも簡単にチェックできます。

ちなみに地目が宅地以外の場合は、倍率方式を用いて相続税評価額を出すのが一般的です。

なお導き出されるのは土地の相続税額です。

建物の相続評価額は、「固定資産税評価額」と同じなので、固定資産税の課税明細書を確認して調べてください。

※参考:国税庁のホームページ|財産評価基準書路線価図・評価倍率表

別荘地:相続税評価額を計算する

相続税評価額の計算方法は以下の通りです。

  • 路線価を用いる場合:路線価×土地の面積
  • 評価倍率を用いる場合:固定資産税評価額×評価倍率

建物:相続税評価額を確認する

建物の相続評価額は、「固定資産税評価額」と同じです。

固定資産税の納税通知書に同封されている「固定資産税の課税明細書」に同封されているので、確認してください。

別荘の時価より相続税評価額が高い場合は相談

相続税評価額を決める「路線価」や「評価倍率」は必ずしも別荘の「時価」と一致していません。

場所によっては路線価の方が土地の取り引き額の目安となる「不動産鑑定評価額」よりも高く出てしまうこともあります。

そのため、相続をしてから別荘の売却を考える場合、あまりにも相続税評価額が高いと売り出しにくくなるでしょう。

さらに、別荘はあくまでも避暑や避寒、レジャーなどを目的とした建物なので住環境が悪いところもあります。

特に、別荘地全体が寂れて手入れが行き届いていない場合や、別荘が老朽化して取り壊さないと土地が売れないような場合、土地の整備に多額な費用がかかる場合はさらに売却しにくくなるでしょう。

相続税評価額が時価に比べて高すぎると思った場合は、税理士に相談したり不動産鑑定評価を行ったりするのがおすすめです。

相続税評価額に路線価ではなく、不動産鑑定評価額が適用される事例もあります。

相続した別荘を売却するときに気を付けるポイント

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相続した別荘を売却する場合、税金のことを考えておかなければなりません。またこの他にも注意することがあります。ここでは、別荘売却の際にかかる税金や注意点についてみていきましょう。

譲渡益が発生すると税金「所得税・住民税」がかかる

譲渡益とは、購入時より高値で売却できた際に出るものです。例えば3,000万円で購入した別荘を3,500万円で売却した場合、譲渡益は500万円です。

不動産を取得する場合は経費がかかるので、単純に売値―買い値では計算できませんが、諸経費を引いても譲渡益が発生することもあります。

この譲渡益に対して、所得税や住民税が課せられます。

ちなみに一定期間居住した住宅を売却した場合、譲渡益が3,000万円までならば優遇措置として税金がかかりません。

しかしこの優遇措置は、別荘に適用されないので注意しましょう。

所得税と住民税は、別荘を所有している年数によって以下のように変わります。

  • 長期譲渡所得(5年以上):所得税15%、住民税5%
  • 短期譲渡所得(5年未満):所得税30%、住民税9%

なお令和19年12月31日までは上記に対して、復興特別所得税2.1%が加わります。

売却時に損失が出ても損益通算できない

別荘は売却すると損失が出ることもあります。特に長期保有した別荘は、建物の価値が0に近くなり損失が出ることが多いでしょう。

例えば3,000万円で購入した別荘が2,500万円で売却できた場合、損失は500万円です。

マイホームなど一般的な不動産を売却して損失が出た場合、損益通算が可能です。

給与所得が1,000万円あり、損失が500万円出た場合1,000万から500万を引いてその年の所得は500万円となります。そうすれば、所得税を節税することが可能です。

しかし別荘に損益通算は、適用されません。つまり損失が出ても所得税が減額されないため十分注意してください。

相続した別荘を売却するコツとは

別荘は維持するにも売却するにも一定の費用がかかります。

では、少しでも損失を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。ここではその方法の一例を紹介します。

諸費用を負担する

現在、別荘地はよほどの人気の場所に建っている物件でない限り人気がありません。

そのため単に価格を下げるだけでは、買い手がつかないこともあるでしょう。

そこで固定資産税、登録免許税、不動産取得税など諸費用を売り主が負担する方法が有効です。

不動産を所得する場合、物件と建物の費用以外に各種諸費用が発生します。

物件によっては諸費用が高くなるため、物件購入をためらうケースもあるでしょう。

諸費用を売り主が負担すれば持ち出しが増えますが、売却できればそれ以上の維持費がかからないので、長い目で見ればお得です。

買い手がつきやすくなる可能性があるため、検討してみてください。

固定費を抑えて売却に出す

別荘によっては毎月かかる固定費が高価になっているものもあります。

例えば別荘の管理を人手に依頼している場合は、管理費がかかります。

温泉を家に引いている場合は温泉税が必要です。

管理を自分で行う、温泉を止めるなどの工夫で固定費を抑えれば、買い手がつきやすくなるかもしれません。

不動産会社に相談する

不動産を売却したい場合、別荘の売買に多くの実績を持つ不動産会社に相談するのがおすすめです。

別荘は不動産の中でも特殊なもので、利益が出にくいことから取り引きに消極的なところもあります。だからこそ、不動産会社選びが重要です。

今は多くの不動産会社がホームページを開設しているので、そこで別荘の取引実績をアピールしているところを選びましょう。

まとめ

今回は、別荘を相続する際にかかる税金や売却の際の注意点などを紹介しました。

別荘は贅沢品扱いなので税制上の優遇も受けられず、維持費もかかります。また長期保管しているほど建物の値段が下がり、土地の価値のみになります。

「親から別荘を相続したが、不要だ」という場合は、できるだけ早く売却する算段をつけるのがおすすめです。

不動産を売却した経験がない場合は、別荘売買の実績がある不動産会社に相談するといいでしょう。

買い手を見つけるための方法などを話し合いながら、相続した別荘の売却について考えていきます。

こちらの記事の監修者

torio real estate店長 宿南 秀文

torio real estate店長

宿南 秀文

  • 平成18年度三井のリハウス(現在の三井不動産リアルティ株式会社)を経て、平成20年株式会社torioに入社。
  • torio創業初期から数多く顧客様との商談・交渉・マーケティングリサーチを行ってきた経験を活かし、お客様の保有数不動産価値の創造に努めます。